マーベルオートサービス株式会社

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フォークリフトの事故事例と事故防止対策

目次

フォークリフト事故の発生状況

フォークリフトによる労働災害(死傷災害)は、ここ数年ほぼ横ばいで毎年2,000件前後の水準が続いており、物流・工場現場の重大な課題となっています。

  • 2021年度(令和3年度)…2,028件
  • 2022年度(令和4年度)…2,092件
  • 2023年度(令和5年度)…1,989件

出典:厚生労働省労働災害統計『フォークリフトに起因する労働災害の発生状況』より

フォークリフト労災事故

フォークリフト労災事故は、どのような事故が多いか?

フォークリフト事故の死傷災害の事故のうち、特に多い事故類型は次の通りです。

  • 「はさまれ・巻き込まれ」… 38%
  • 「激突・轢かれ」… 27%

出典:一般社団法人日本産業車両協会『フォークリフトに起因する労働災害の発生状況』より

「はさまれ・巻き込まれ」事故には、フォークリフトの横転による下敷き事故、荷役作業中の巻き込まれ事故等が含まれます。運転ミスや確認不足、作業手順の不徹底、危険エリアへの不用意な立ち入りなどが原因となりやすいです。

「激突・轢かれ」事故は、走行中のフォークリフトが作業員に衝突・轢過、 フォークリフト同士の激突事故等が該当します。視界不良や死角、スピードの出し過ぎ、警告音やミラー・カメラの未設置、歩行者と車両の動線交錯などが主な原因です。

フォークリフトの事故事例

フォークリフトでの頻度の高い事故について、実際の事例を見ていきましょう。

「はさまれ・巻き込まれ」事故

2024年3月、工場敷地内でのフォークリフト作業中、運転していた作業員が車両の横転により投げ出され、車体の下敷きになって挟まれ、死亡する事故が発生しました。
原因は、フォーク(ツメ)部分を上げたまま走行したために、倉庫の天井にフォークが引っかかり、車体のバランスを崩して横転したこととみられています。

▶︎事故防止対策として、フォーク(ツメ)を走行時に必ず下げるという基本操作の徹底が重要です。

こうした事故を防ぐため、最近はフォークリフトのツメ下げ忘れを警告するセンサーの導入も増えています。
「激突・轢かれ」事故 
(職場のあんぜんサイト 労働災害事例より)

2022年2月、工場内の製品サンプル等を回収する業務等を担当する労働者が、当該業務後、事務棟まで戻るために移動していたところ、空コンテナを運搬するフォークリフトに接触し、死亡する事故が発生しました。被災者がフォークリフトと接触した箇所は、日常的にフォークリフトの走行する範囲内でした。
事故の主な原因は、歩行者とフォークリフトの動線が分離されていなかったこと、およびフォークリフト走行エリア内を歩行者が移動していたことが考えられます。

▶︎事故防止対策として、工場内で歩行者とフォークリフトの動線を完全に分離することの徹底で防ぐことができた可能性があります。また、交差点や死角にはミラー・警告灯・AIカメラなどを設置する等して、接触リスクを減らす工夫も可能です。

接触事故のリスクを減らす方法としては、進入禁止エリアを​光で知らせてくれるラインライトアーチライト人とフォークリフトの接近を知らせてくれるICタグシステム人を検知してくれる高性能AIカメラの採用も効果的です。

フォークリフト事故防止のために
現場でできること

1. 安全教育の徹底
  • 定期的な安全教育の実施
  • ヒヤリハット事例を共有し、再発防止策を講じる
  • 運転資格保持者以外に運転させない
2. 作業ルールの遵守
  • 荷物を高く上げたままの走行や無理な運搬をしない
  • 指定速度の遵守、カーブ・交差点は必ず徐行
3. 動線の分離と視認性の確保
  • 歩行者とフォークリフトの通路を明確に分離し、標示等で仕切る
  • 交差点や死角には、ミラー・AIカメラ・警告灯などを設置
4. 最新技術の活用
  • 死角補助カメラやAI人物検知センサー、フォーク下げ忘れ防止センサーの導入
  • 音声案内や警報システムの活用

現場の安全対策に、安全機器の導入を

私たちは、フォークリフトの後付け安全機器をはじめ、現場のニーズに合わせた各種製品をご提案しています。「どのような安全対策が最適か分からない」「既存対策だけで不安」という方も、ぜひ一度ご相談ください。安全で効率的な職場づくりをサポートいたします。